後立山連峰を一人で縦走していたときのこと。前夜、暴風雨で小屋に閉じこめられ予定が狂ってしまい、昼近くに小屋を出発したが、ガスでほとんど視界がきかず地図で確認しながら稜線を歩いていた。
　小屋を出てしばらく経ちそろそろ疲れてくる頃、突然目前に５羽の雷鳥が降り立ち自分の歩調と同じ速さで、つかず離れず３０分ほど、まるで道先案内してくれるようにチョコチョコと道から外れもせず歩いてくれた。
　そして雷鳥がいなくなると少しして次の小屋が見えてきた。
山は時々考えもしなかったような贈り物をくれる。

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